会長挨拶
森脇 真一
第15回日本皮膚科心身医学会 会長
(大阪医科薬科大学医学部皮膚科学教授)
この度、2025年(令和7年)1月26日(日曜)に大阪医科薬科大学医学部皮膚科学教室が第15回日本皮膚科心身医学会を主催させて頂く事となり大変光栄に存じます。この学会は皮膚科における心身医学に関わる幅広い専門領域の研究者、それに携わる方々の情報交換の場としまして議論を交わす事を目的として結成された会です。本医学会でも、多様なストレス社会が影響する身体的変化、特に皮膚疾患患者への対応につきまして最新の知見を共有したいと考えております。
今回の大会テーマは「Beyond Borders~皮膚科心身医学の裾野をひろげる~」です。私自身、専門は光皮膚科学、遺伝性光線過敏症であり、当初は皮膚科心身医学を全く知らない皮膚科医でした。ただ、日常業務の中で頻回に実施していた遺伝カウンセリングを通じて、皮膚科心身医学の重要性を感じ本学会に加わらせていただきました。本学会はまだまだ会員数も多くありません。しかし、近年、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症など多くの皮膚科疾患の診療ガイドラインにおいて、悪化因子としての精神的ストレスの関与、治療の際の心身医学的アプローチの立ち位置が記載されております。専門ではないにしても、傾聴の重要性、コーチングスキル、SDMなどを少しでも知ることは、様々な慢性難治性皮膚疾患患者に対応する際には重要なコミュニケーションの手段になるのではないでしょうか。
「Beyond Borders」には皮膚科心身医学の重要性を知らない特に若手の皮膚科医への裾野を広げること、そして皮膚科という垣根を取り除いて、内科、小児科医など皮膚科以外の先生へも皮膚科心身医学の存在を知っていただくこと、さらには臨床心理士など医師以外のスタッフとの交流も大事なのではという思いが込められております。
特別講演では佐々木恵雲先生(藍野大学学長)に、人生のエンドステージでの究極の心身医学ともいえる死生観についてお話いただきます。佐々木学長は内科医であり僧侶でもあり、私が医学生時代から親しくしていただいてきた同期でもあります。また教育講演では澤村律子先生(大阪医科薬科大学保健管理室)に、近年増えてきている医学生のメンタルブレイクへの取り組み、対応をご紹介いただきます。澤村先生は心理学がご専門で、本学において長年医学生のメンタルヘルスケアを展開されておられます。
最後に、本大会に対しましては多大なるご寄付、広告掲載並びに数多くの共催セミナーをいただきましたことをこの場をお借りして御礼申し上げます。ただその結果として、大会自体のスケジュールが若干タイトになってしまいましたことをお詫び申し上げます。今回、学会を開催させていただく1月は新年を迎えて間がなく皆様におかれましては大変お忙しい時期かと存じます。また、まだまだ寒い日々が続いているかと思いますが、医局員一同、非常に交通アクセスの良い大阪医科薬科大学医学部(大阪府高槻市)にて、多くの先生方ご参加を心よりお待ちしております。
2024年10月